データ 脚本は田口成光。 監督は鈴木俊継。 ストーリー 友達とコマ回しに興ずるダンのところにダンの友達モトコがやって来た。 ダンは「パンダおじさんの薬屋へ行く」と言うモトコについて行く。 薬屋パンダ堂の店長は中国にパンダを見に行くほどのパンダ好きで、店もパンダのぬいぐるみで溢れていた。 モトコはパンダおじさんからパンダのぬいぐるみをもらう。 モトコが帰ると黒マントの男が店内に入ってきた。 その男がマントを翻すと店内のパンダのぬいぐるみが全て消えてしまう。 家路に着くダンとモトコは通りかかった北斗に出会う。 パンダおじさんが黒マントの男を追いかけてるのを見て、北斗はパンサーでその男を追う。 しかしパンサーで60キロ以上出しても男との差は縮まらない。 北斗は倉庫街で男を見失ってしまった。 北斗は倉庫の掃除をしていた老人に男のことを尋ねるが、老人は耳が聞こえない。 諦めた北斗は基地に帰る。 TAC基地ではパンダ泥棒の話で盛り上がっていた。 北斗が「男は60キロ以上のスピードで走っていた」と報告すると、初夢の続きでも見ていたんじゃないかとからかわれる。 公園で北斗の帰りを待つダンとモトコ。 モトコのパンダをパンサーの中に置きっぱなしにしていたのだ。 「責任を持って君に返す」と言うダン。 その夜ダンは外で不審な物音がするのを耳にする。 ダンが覗いてみると、庭でパンダがリンゴをかじっていた。 ダンはすぐ姉を起こすが既にパンダの姿はなくダンは姉に怒られる。 翌日ダンは北斗にリンゴの食べかすを見せ、「パンダおじさんに見せればパンダかどうかわかる」と言う。 御とそに酔っ払う薬屋の主人は「パンダの食べたものに間違いない」と言う。 基地に上野動物園のパンダが逃げてないかと問い合わせる北斗。 しかしパンダが逃げたという情報はない。 その時モトコが店に入って来て「昨日のパンダを返して」と北斗に言う。 その頃都内ではパンダのぬいぐるみが次々に消えるという事件が頻発していた。 男を見かけた北斗はダンらとともに倉庫街で待ち伏せし、黒マントの男が倉庫に入るのを目撃する。 北斗が「ごめんください」と言うと、例の老人がまた出て来た。 北斗は「本当は耳が聞こえるんですね。ごめん下さいと言えば出てきた」と言う。 さらに銃を撃つ北斗。 老人はその音に思わず身をすくめる。 正体がばれた老人は倉庫に逃げ込み黒マントの男の姿になった。 一方外で待機していたダンとモトコはパンダが別の倉庫に入っていくのを目撃する。 その倉庫にダンらが行くとそこにはパンダのぬいぐるみや人形が山と積まれていた。 黒マントの男はスチール星人で自分達の星にパンダを持って帰るのが 目的だと言う。 「パンダは子供達の宝物だ。俺が守る」と北斗。 「出来るかな」。 そう言うと星人は巨大化し辺りを破壊し始めた。 北斗は瓦礫に挟まれて身動きできなくなる。 パンサーの無線ですぐ本部に連絡するダン。 TACはファルコンで出撃する。 しかし暴れるスチール星人の前にパンダが出て来てしまった。 そこへパンダおじさんがやって来る。 パンダおじさんは笹でパンダを手なずけようとするが、なかなか上手く行かない。 そばに駆け寄ったダンやモトコもピンチになった。 瓦礫から脱出し敵を引き付けるため自ら星人の前に出て行く北斗。 ピンチになった北斗は光に包まれエースに変身した。 エースはパンダと3人を助け、スチール星人に戦いを挑む。 火炎放射に苦戦するものの、メタリウム光線で星人を撃破するエース。 パンダは中国からスチール星人が盗んできたものであった。 モトコのパンダも無事美川が手渡す。 中国に送るため輸送されるパンダを手を振って見送るモトコとTAC隊員たちであった。 解説(建前) 黒マントの男はどうやってパンダを盗んだのか。 これは黒マントに仕掛けがあって、マントにある程度ぬいぐるみが収容できるようになっていたものと考えられる。 中国のパンダは何故ダンの庭にいたのか。 これは星人が中国から盗んできたが、うっかり放し飼いにした結果逃げ出したと考えるのが素直であろう。 因みにパンダ堂の主人がリンゴの食べかすを見てパンダとわかったかどうかは疑わしい。 酔っ払っていたから適当なことを言った可能性が高いであろう。 スチール星人は何故巨大化して暴れだしたのか。 パンダを持ってすぐ逃げればとも思うのだが。 これはTACの存在を知っていたため、ばれたからには宇宙船で逃げ帰るのが難しくなったと判断したからではないか。 とりあえずTACを叩いてから逃げようとしたものと考えられる。 感想(本音) まあ、何とも濃い話。 内容は乏しいのだが、インパクトのある話である。 それでは内容を見て行こう。 コマは強いダン。 しかしダンはすっかり仲間に溶け込んでいるな。 北斗のおかげですっかり角が取れて協調的な人間に成長したのであろう。 しかしモトコちゃんのことが好きなのか、仲間よりモトコちゃんを取るのはまずいのでは。 結構女好きなダンであった。 パンダ堂のおじさんは獏おじさんに続く危ないおじさん第2弾。 酔っ払ってる時なんかスチール星人と変わらないくらい不気味だったぞ。 しかしいくら何でもリンゴを見てパンダが食べたかどうかまではわからないだろう。 演出的にも酔っ払っていたことから、適当に言ったものと考えられる。 黒マントの男、狂気人間大村千吉氏の演技が不気味。 「ふよよよ」。 意味不明である。 ところで北斗がバック宙をするシーンは何処行った? パンダの着ぐるみは何ともアレである。 もう少し何とかならなかったか。 老人が耳が聞こえるか調べるため銃をぶっ放す北斗。 いくら相手が宇宙人かもしれないからって、街中でぶっ放していいのか。 今回も光に包まれる変身。 最近ちょっと新マン化している。 スチール星人の急所にキックを入れるエース。 スチール星人はあまり重量感がなく、何処となくアクマイザー3を思い出させるデザインだ。 スチール星人と北斗が対峙するシーンは何となくセブンを髣髴とさせる。 ただし、話の内容は全然違うが。 今回は特に解説は不要であろう。 パンダを題材に子供向けに一本作ったという話。 しかしモトコとそのパンダのぬいぐるみを上手く絡め、作品として筋を通してるのはさすが田口氏。 ヤドカリンの時と同じような展開ではあるが、子供を上手く絡めており子供向けヒーロー物として安心して見てられる。 石堂氏ならもう少し破天荒なものになったのだろうが、田口氏らしい手堅い仕上がりになっており、自分の役割はしっかりと果たしているだろう。 今回はそんなところで。 |