データ 脚本は市川森一。 監督は山際永三。 ストーリー 3億年前の古代魚類が発見され、北斗、南、山中はその輸送の護衛に出かける。 一方、休暇を取った美川隊員はかつてのクラスメート、怪奇漫画家の久里虫太郎邸のクラス会に招待されていた。 久里は美川に中学時代、突き返されたラブレターを渡し、封を開けさせる。 すると中には超獣の絵、古代魚類をモデルにしたガランの絵が描いてあった。 その頃、北斗らは古代魚類運搬の護送をしていたが、魚類を積んだトラックがいきなり宙に舞い上がり、空の彼方に消えていく。 異次元人にさらわれたのだ。 一方、久里邸でトラックが舞い上がる絵を見ていた美川は、クラスメートが誰も来ないことに不審を抱く。 そのことを久里に聞く、美川隊員。 しかし、これは久里が始めから仕組んだ罠だった。 睡眠薬で意識を失った美川隊員は久里邸の屋根裏に監禁されてしまう。 その頃TAC基地では魚類をさらった犯人をヤプールと断定し、パトロールと連絡のつかない美川隊員の捜索に出る。 パンサーで街へ出た山中らの頭上にさらわれたトラックが落下してくるが、夕子の指示で危険を回避。 トラックは大爆発する。 その時、空を割って超獣が出現。 人間を滅ぼすのは人間だ。 それはヤプールが古代魚類を改造し久里の妄想を現実化した超獣ガランであった。 仕方なく攻撃するTAC。 その時ファルコンとアローが操縦不能になり、隊長らは仕方なく不時着する。 と同時に、ガランも何かに掻き消されるように消えていった。 その頃久里邸で捕らわれの身になっていた美川隊員は久里に結婚を迫られる。 抵抗する美川だったが、久里は悪魔のテレパシーで何でも出来ると自信満々だ。 捕らわれて2日目、漸く吉村隊員が久里邸を発見する。 昨日帰ったと嘘をつく久里。 その時何とか隙を見て縄を解いた美川隊員がドアを爆破する音が響いた。 急いで中に駆けつける吉村隊員。 久里と格闘の末、美川、吉村両隊員は辛くも久里邸を脱出する。 妄執の虜になった久里は必死で漫画を描き、ガランに美川隊員を取り戻させようとする。 出撃するTAC。 出撃を禁じられてた美川隊員も北斗らに頼みアローで出撃した。 アローで攻撃する北斗、美川。 しかし、北斗のアローがガランに捕まってしまった。 地上から攻撃していた南がガラン目がけて走り出す。 「星司さ〜ん」、「ゆ〜こ」、「フライングタッチ」。 ガランは久里の漫画に合わせてエースを攻撃する。 苦戦するエース。 しかし、エースがガランの右手を吹き飛ばすと、久里の右手にも激痛が走った。 うめき声を上げる、久里とガラン。 エースは続けてパンチレーザーでガランの体に火を付ける。 ガランと一緒に燃え出す久里の体。 そしてエースがとどめのメタリウム光線でガランを爆破した時、久里邸も大爆発を起こした。 人間の欲望がガランを生み出したのだと隊長。 美川隊員は久里にもらったガランの絵をライターで燃やす。 笑顔を取り戻した美川隊員を見て、微笑み合う北斗と南であった。 解説(建前) ガランと久里の関係だが、久里が漫画で操ってた所を見ると、漫画と現実空間が異次元の世界を通じてリンクでもしてたのだろう。 原理はよくわからないが、エースの攻撃が紙を伝わって久里に及んだと思われる。 バレバレのフライングタッチが何故隊員達にバレなかったかは、二人がジャンプした瞬間に異次元空間にでも移動してるとしか考えられない。 大体、夕子があんなにジャンプできる自体不自然だから、二人の気持ちが合った瞬間に、エースの力により別の空間に移動し合体変身するのだと思う。 後、今回はヤプールの目的が人類の滅亡であるらしい事が判明。 けだし、人間が人間を滅ぼす。 感想(本音) 昔見てもよくわからなかった話だが、今見るととても面白い。 市川森一面目躍如の好篇である。 清水紘治の久里虫太郎が最高。 今で言うストーカーでその狂気はもはや演技を通り越してます。 しかし、子供番組でこんなのやっていいのか? 昔はさっぱりわからなかったぞ。 後、何と言っても美川隊員のドレス姿がエロい(ミニ)。 美川隊員結構グラマーなのね。 しかし子供がこんな番組見てたら、親はさぞかし驚くだろうな(下手すりゃロマンポルノだ)。 夕子が見たというテレパシーの実験て何? 行方不明の美川に代わり、夕子が通信をやってたけど夕子って男の隊員と同じ仕事してるんだからとんでもなく優秀だ。 さすがエースだけはある。 ヤプールにさらわれて、久里の妄執の超獣とされた古代魚類、不憫。 あの鳴き声が何とも言えない。 しかしよく超獣を生物兵器と言う人もいるが、元は何かの動物か怪獣だったのだから、見てて結構哀れな所あるぞ。 地球侵略の道具にされてエースと戦わせられる超獣はほんと気の毒だ。 ガランの出現シーンの空が割れる映像はバキシムの使いまわし。 しかし、ガランが久里の消しゴムで消えるシーンはとても美しく、相変わらず特撮の演出が冴え渡っている。 今回北斗、南は地味な役回り。 完全に美川隊員ワンマンショー(清水紘治の方か?)でした。 でもさり気なく吉村隊員が活躍してた。 相変わらず生物関係の仕事はまわってこないが。 あのフライングタッチはフォロー不能。 もう少し何か考えて欲しかった。 エースとガランの対決シーンでエースのテーマに合わせて漫画が舞い上がる演出は最高。 ガランがやられて久里が叫ぶのも良かった。 市川森一はやはりこういうのが書きたかったのかな。 この辺りに市川離脱の原因があるのかもしれない。 しかし、初期のエースはほんと面白い。 |