ウルトラ6兄弟最後の日!


データ

脚本は佐々木守。
監督は真船禎。

ストーリー

宿敵テンペラー星人はタロウの活躍で滅びたかのように見えた。
しかしテンペラー星人はまだ生きていたのだ。
その恐るべき魔の手は再びウルトラ6兄弟の上に忍び寄ってくる。
祝杯を挙げる兄弟たち。
「兄さん。ありがとう。おかげで自信がつきました。俺は今まで兄さんたちを頼り過ぎていたんだ」と光太郎。
「わかってくれればいいんだよ」とハヤタ。
ゾフィがテンペラー星人の様子を探りに行っていると聞いた光太郎は、
「もしまたテンペラー星人が現れたら、俺が軽く捻ってやるよ」と言う。
「自信がつくということは、それを自慢することとは違うと思うんだが」とハヤタ。
「まあ、いいからいいから。ここは俺に任せて、兄さんたちはたっぷりご馳走を食べて、安心して帰ってくださいよ」。
「その言いぐさはなんだ」。
光太郎に掴みかかる北斗。
それを制止して郷は言う。
「自分の力を過信してると、今に大きな怪我をするぞ」。
しかしテンペラー星人は自分一人で倒したと光太郎は聞く耳を持たない。
「口を慎め」と注意するダン。
そこへゾフィが戻って来た。
海岸で練習するバレーボールの選手たちを見るように指示するゾフィ。
「バレーボールのチームじゃないですか。それがどうかしたんですか」と光太郎。
「スポーツのチームに一番必要なものはなんだ」とダン。
「チームにとって一番大切なのは、がっちりとしたチームワークじゃないのか」。
「セブンの言うとおりだ。一人だけ技術の優れたものがいても、チームワークが取れていなければ絶対に試合には勝てない。タロウ、そのことを忘れるな」とハヤタ。
「わかったよ。ZATのメンバーの一人として早く本部に帰れって言うんだろ」と光太郎。
「地球のことは俺に任しといてよ」と言い残して去る光太郎。
「あの野郎、ぶん殴ってやる」と北斗。
しかし郷は「今のタロウに何を言っても無駄だ」と言う。
「テンペラー星人の一匹や二匹やっつけたくらいで」と北斗。
「テンペラー星人はまだ滅びてはいない」とゾフィ。
驚く兄弟たち。
「タロウの奴、自分の力を過信しやがって。危険なことにならなければいいんだが」とハヤタ。
一方光太郎は車に乗って本部へ向かっていた。
「兄さんたちは俺を嫉妬してるんだ。一人でテンペラー星人をやっつけた俺が、羨ましくてならないんだ」。
一人悦に入る光太郎。
その時、再び星人の宇宙船がやってきた。
光太郎の車を光線で爆破する宇宙船。
脱出する光太郎。
すると宇宙船の中からテンペラー星人が姿を現した。
星人は目から特殊スペクトル光線を放ち、光太郎の正体がタロウであることを見抜く。
「ウルトラの国から来たやつは、地球の人間とは影の出方が違うのだ」と星人。
「末っ子の甘えん坊などどうでもよいわ。我々の狙いはウルトラ兄弟だ」。
言い残し飛び去る星人。
それを見た光太郎は自分が怖くて星人が逃げたのだと叫ぶ。
一方兄弟たちは地球の人たちを守るべく、再びZATの隊員の体を借りることにしていた。
ZAT基地へ向かう兄弟たち。
その頃栄一は仲間たちにウルトラマンボールを使ってタロウが星人を倒したことを自慢げに話していた。
そこへ通りかかるさおり。
栄一はウルトラマンボールをZATでも使ってもらうつもりというが、
「ZATじゃこんな玩具は」とさおり。
その時大きな地震が起き、地割れが起きビルが倒壊する。
姿を現す星人。
本部に帰った光太郎は荒垣たちを探すが、森山によると朝からずっと連絡がないという。
そこへ兄弟たちが乗り移ったZAT隊員たちが帰ってきた。
「ただちに出動」と荒垣初代マン。
「遅いですよ、みんな」と光太郎。
「とにかく俺は先に行きますから」。
単独行動を取る光太郎。
「まずいな。ZATの中でタロウがあんな態度を取り続けると」と北島セブン。
「ZATの規律が乱れてしまう。どうするゾフィ兄さん」と荒垣初代マン。
「もしいつまでもタロウがあんな態度を取り続ければ、もうタロウはウルトラ兄弟ではない」と大谷ゾフィ。
テンペラー星人を倒すことが先だと大谷ゾフィ。
出動する兄弟たち。
その頃光太郎は単独、ウルフで星人をかく乱する作戦を取っていた。
ウルフを追いかけてフラフラする星人。
星人はグルグル回転を始めた。
「今に目が回ってぶっ倒れるぞ」と光太郎。
そこへ兄弟たちのホエールとコンドルが到着するが、光太郎が星人の近くにいるため攻撃できない。
星人から離れるように指示する荒垣初代マン。
「何言ってるんですか。あと少しです。まあ見ててくださいよ」と聞く耳を持たない光太郎。
「東隊員。君一人で戦ってるんじゃない。どきたまえ」と北島セブン。
「テンペラー星人なら任せてください。そっちこそ邪魔ですよ」と光太郎。
星人の攻撃を受けて操縦不能になるホエールとコンドル。
「うるさい。地球人は引込め。何処にいるウルトラ兄弟。出てこい」と星人。
「だから言わないことじゃないんだ」と光太郎。
星人は光太郎のウルフを追いかけてるうちに目を回して倒れてしまった。
宇宙船に戻る星人。
「いったいウルトラ兄弟たちは何処へ行ったんだ」と星人。
「ひょっとするとあの末っ子が兄弟に会いに行くかもしれないぞ」。
宇宙船のモニターを切り替えると、光太郎とさおりが映し出される。
それを見た星人はさおりに乗り移ることを画策。
台所で洗い物をするさおりに近づく不気味なクモ。
クモは赤い煙を吐きさおりを気絶させると、さおりに憑りついた。
川原でお弁当を食べる光太郎とさおり。
栄一は相変わらずウルトラマンボールを独り占めしていた。
「貸してあげればいいのに」とさおり。
「何でもかでも、皆一緒でなければならないということはないよ」と光太郎。
「強い者や、先に手に入れた者が、一人で突っ走った方がいいことだってある」。
「光太郎さんがそんなこと言うなんて信じられない」。
「静かにしてくれ。俺はむしゃくしゃしてるんだ」。
「嫌いよ。そんな光太郎さん」。
「さおりさん」。
「でも、嫌いになれてよかった」とさおり。
驚く光太郎。
「ウルトラマンタロウ」。
声が変るさおり。
光太郎は身構えるも、さおりの投げた拘束衣に絡めとられてしまった。
巨大化する星人。
蓑虫のような格好で星人に捕まった光太郎。
「ウルトラマンタロウ。ウルトラ兄弟を誘い出す囮になってもらうぞ」。
星人の反応をキャッチしたZATは出動しようとするが、その時栄一がやってきて光太郎が捕まったことを皆に知らせる。
一方星人に捕まった光太郎は、テンペラー星人の技術を結集して作ったウルトラ兄弟必殺光線を浴びて苦しんでいた。
出動するZATを見て「うるさい地球人が出てきたな。帰れ帰れ。お前たちに用はない」と星人。
「あんな奴ほっときましょう」と言う上野エース。
しかし荒垣初代マンは「奴らの特殊光線は死の苦しみだぞ」という。
「タロウも勝手な行動をすればどうなるか、身に沁みたことだろう」と大谷ゾフィ。
タロウ救出作戦に出る兄弟たち。
光太郎が吊り下げてる縄をめがけてウルトラビームを発射するホエール。
縄が切れて落下する光太郎はホエールの前面にしがみついた。
そのまま逃げるホエール。
「地球人が、まさか」と星人。
地上に降りた隊員たちに特殊スペクトル光線を浴びせる星人。
兄弟たちは正体がばれてしまう。
「それでは、皆は兄さんたちだったのですか」と光太郎。
「そうだったのか。見つけたぞ、ウルトラ兄弟」と星人。
逃げる兄弟たち。
「兄さん、俺たちのためにこの街が」と光太郎。
「わかってる。しかしあの特殊光線は」と荒垣初代マン。
「一気に近づいて倒すしかない。奴が光線を発射する前にだ」と南原新マン。
「しかし我々の姿は奴らに見られてしまった」と上野エース。
その時海岸にいたバレーチームが近くを通る。
爆撃を受け気を失う選手たち。
選手に乗り移る兄弟たち。
ウルトラ兄弟を見失う星人。
しかし星人は選手が6人いることに気づいて特殊スペクトル光線を浴びせる。
「見つけたぞ」。
喜ぶ星人。
ウルトラ兄弟必殺光線を浴びせる星人。
兄弟たちは選手の体のまま消えてしまう。
テンペラー星人から逃れてZAT隊員の姿に戻った兄弟たち。
バレーの選手たちは気を失ったままだった。
「スペクトル光線で見つけて、あの特殊光線でやられたら手も足も出ないな」と南原新マン。
「何とか奴に近づく方法はないのかなあ」と北島セブン。
そこへ栄一が近づいてきた。
光太郎はウルトラマンボールを使うことを思いつく。
「兄さんたち、俺を行かせてください」と光太郎。
「また一人で勝手な行動をしようというのか」と南原新マン。
「勝手な行動をするとどういうことになるか、ようくわかったつもりです」と光太郎。
「タロウ、皆を救うために行くと言うのか」と荒垣初代マン。
「はい。あいつが光線を発射する前に、あのウルトラマンボールで近づきます」。
「よし、タロウやってみろ」と大谷ゾフィ。
兄弟たちを探す星人。
光太郎は栄一に友達にウルトラマンボールを分けてあげるよう頼む。
光太郎を見つけて必殺光線を浴びせる星人。
栄一を助けて光線を受ける光太郎。
光太郎が消えた後、そこには6つのウルトラマンボールが残されていた。
友達とそれを星人に投げつける栄一。
「ウルトラ兄弟出てこい」と栄一たち。
すると投げつけたボールが星人の方へ近づいて行った。
ボールが割れて中から兄弟たちが現れた。
「とうとう出たな、ウルトラ兄弟」と星人。
光の鞭や炎で攻撃する星人。
さらに必殺光線を兄弟に浴びせる。
エメリウム光線やスペシウム光線も星人には通用しない。
兄弟たちはリング状の光線を放ち星人の動きを止めると、タロウがタロウカッターで星人の腕を切断。
手から火花を噴出し苦しむ星人を兄弟たちは空に投げ上げると、タロウがストリウム光線で星人が爆破。
さらに残された宇宙船を兄弟たち全員の光線で破壊する。
タロウに別れを告げる兄弟たち。
ZATの中でチームワークを守って戦うとタロウ。
タロウは光太郎の姿に戻り、ZATの仲間たちと合流する。
バレーの選手と一緒にランニングして帰る隊員たち。
「兄さんたち〜、さようなら〜」。
空に向かって手を振る光太郎。

解説(建前)

兄弟たちに乗り移られていた間のZAT隊員の記憶はどうなったのか。
初代マンとハヤタの場合、乗り移ってる間の記憶は消えていた。
したがって、ZAT隊員たちの記憶も一時的に消えていたとも考えられる。
しかし、光太郎と再会したときのZAT隊員にはテンペラー星人と戦った記憶があった。
これはやはりウルトラ兄弟が隊員と分離する際に偽の記憶をねつ造したのであろう。
一方星人に乗り移られたさおりだが、こちらはその間の記憶を失っていたと解釈しても問題はない。

兄弟たちはなぜウルトラマンボールを使って変身しないといけなかったのか。
兄弟たちは何とかテンペラ―星人の近くで変身しようとしていた。
これはおそらく自分たちが隠れているところで変身すると、気を失ってるバレーの選手や他の人間を巻き込んでしまうと考えたのだろう。
星人の近くで戦うには近づいて変身しないといけない。
しかしそのままの姿で近づいたらすぐ正体を見破られて攻撃を受けてしまう。
そこでボールに乗って空から星人に近づく作戦を採用したのであろう。

感想(本音)

一人でテンペラー星人を倒したタロウが増長する話。
そもそもウルトラマンは怪獣や宇宙人を倒して当然なので祝勝パーティを挙げる時点でおかしいのだが、それだけテンペラー星人は強敵なのであろう。
本話は普段は地球人のために自らを犠牲にして戦ってるウルトラ兄弟のせいで地球人が犠牲になるという、今まで取り上げられなかったテーマを取り上げた。
無理やり左翼思想的に解釈すると、米軍の力に頼ると戦争に巻き込まれるということにでもなろうが、さすがにこの話からそれを読み取るのは難しいであろう。
悪いのはやっぱりテンペラー星人だし。

今回もウルトラ兄弟役の役者さんの出演は海岸のみ。
ZAT隊員との融合シーンもそのまま使い回しでちょっと手抜き感もあるが、当時はビデオのなかった時代だし視聴者にとってはサービスであろう。
唐突に出てくるバレーボールの選手たち。
ちょうど6人だと乗り移る兄弟たち。
しかしすぐ見破られてしまう。
この辺りの展開は正直あまり必要性を感じないが、一応チームワークが大事ということが言いたいのであろう。

今回もなぜか重要アイテムのウルトラマンボール。
しかし今どきの子供で「すっくと立つ」なんて言葉使いする子はいないだろうな(笑)。
子供の頃テンペラー星人編のあらすじが載っている本を読んでウルトラマンボールって何だろうと思っていたが、実際見てもよくわからなかった。
雑誌の付録とか番組プレゼントとかなのだろうか。
子供たちが投げつけると中からパッカーンと桃太郎のように飛び出す兄弟たち。
ウルトラマンタロウだから桃太郎なのかもしれないが、一体誰が考えたアイディアなのか知りたいところだ。

増長してZAT内でも単独行動を取る光太郎だったが、ウルフを駆使してテンペラー星人を撃退してしまう。
目を回して宇宙船に戻る星人。
この辺りはさすがに光太郎が増長しすぎだと思うが、コミカルなシーンにすることによりその辺りの違和感は回避している。
篠田氏の演技もノリノリだし、本人も変に張り切って演じたと後のインタビューで語っているように真船監督の注文なのだろう。
また、星人がさおりに目をつけて乗り移るシーンもさおりの不気味な笑いでCM入りだし、この辺のテンポの良さは見ていて楽しい。

「かわいそうだが体を貸してもらうぞ」とさおりに乗り移る星人。
さおりの体を傷つけることもなかったし、この辺りは妙に紳士的。
あくまで地球を破壊するのはウルトラ兄弟を誘き寄せる手段であり、結構真面目に地球人に同情しているようだ。
CM明けいきなりピクニックでお弁当を食べる2人のシーンだが、ここでも光太郎は増長した発言を繰り返す。
それを聞いて「嫌いになれてよかった」とさおり。
この辺りは完全にギャグなのだが2人の関係性を描くのは久しぶりなので、ある意味貴重なシーンと言えよう。
また光太郎を捕まえて踊り狂うテンペラー星人はなかなかひょうきんだ。

テンペラー星人の使うウルトラ兄弟必殺光線は死の苦しみらしいが、必殺という割にはしょぼい。
これでウルトラ兄弟を倒せるつもりだったのだろうか?
最後は腕を切られてリンチ状態で死亡。
正直この辺の描写はあの悪名高き「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」のノリを思い出させる。
コミカルタッチで悲惨さを出さない演出かもしれんが、返って不真面目さが目について残酷に見えてしまう。
エースの磔やブロンズ像の反省かもしれないが、これはこれで問題が残るであろう。

前述したように後編のテーマはタロウの増長とチームワークの大切さ。
しかし正直このテーマには疑問も残る。
そもそも一人でテンペラー星人を倒せと言ったのはウルトラ兄弟の方だ。
光太郎の増長も酷いが、「もしいつまでもタロウがあんな態度を取り続ければ、もうタロウはウルトラ兄弟ではない」というのもあんまりだと思う。
光太郎の言う「強い者や、先に手に入れた者が、一人で突っ走った方がいいことだってある」というのも一理ある。
この辺のテーマはやや取ってつけた感があるだろう。

子供目線的にはそういう教訓話で問題はないが、大人目線からはむしろその背後にあるより大きなテーマの方が気になる。
本話は完全にウルトラ兄弟対テンペラー星人で話が展開している。
本来人間を代表する役割のZATまでがウルトラ兄弟に憑依され、当事者たりえてない。
あくまで地球というリングで異星人同士が戦ってるだけである。
ウルトラ兄弟という設定ができて以来、ウルトラ兄弟と宇宙人が直接戦う話は増えてはいたが、ここまで推し進めた話はなかった。
そういう意味ではやはり本話も問題作と言えよう。

本話の脚本は1期ウルトラを代表する脚本家である佐々木守。
本来なら1期ウルトラのメインライターである金城氏が担当すべき作品だが、金城氏は既に沖縄に帰っていたので代わりに佐々木氏が担当することになったのであろう。
前編でも書いたが、タロウの増長云々はやはり取ってつけたテーマという感じがする。
田口氏だとまず地球侵略ありきで話を展開させると思うが、ウルトラ兄弟抹殺ありきで進める辺りはやはり変化球が得意な佐々木氏らしいか。
ただ、本話の基本プロットは先に制作サイドで決められていたはず。
「恨むならウルトラ兄弟を恨め」など人間の被害者性を強調してはいたが、基本はそのプロットに沿って話を作っただけであろう。
決して佐々木氏一人の問題意識で作られた話ではない。

本話制作の時点でウルトラ兄弟展開はかなり進んでいた。
本話はそういう雑誌展開のウルトラ兄弟ストーリーを逆輸入した話であろう。
既にムルロア編で雑誌が作ったウルトラの国の設定を本編に取り入れていたが、本話のテンペラー星人も明らかにエンペラ星人を意識している。
所謂メディアミックスであるが、ウルトラ兄弟を看板に売り出す以上このような展開は避けられないだろう。
ただ、これは両刃の剣でもある。
ウルトラ兄弟中心の話は一時的にはより大きなスケールの話に感じられたりもするが、あまりにもウルトラ兄弟をメインにすると逆にウルトラ兄弟の矮小化を招いてしまうからである。

そもそもウルトラマンという存在の偉大さは、人間<怪獣・宇宙人<ウルトラマンという図式によって担保されていた。
その座標軸たる人間の存在がなくなると、人間同士の戦いと大差がなくなってしまう。
かく言う私もウルトラマン物語の頃にはウルトラへの興味をかなり失っていた。
年齢的な面もあったと思うが、子供心にも何となくこれは違うというのを感じていた。
もちろん今見るとこれはこれで面白いのではあるが、子供たちが本来求めていたものがはたしてこのような展開だったのかは疑問が残ると言えよう。

ただ、本話に限って言えば、コミカルでファンキーな演出や演者の熱演により楽しめる作品となっている。
純粋に娯楽作品と見れば、上出来の部類であろう。
本話は前編の最初に述べたようにイベント編というよりイベント。
ある意味番外編的に見ることにより、今までの話との整合性や本話の意味不明な展開も許容することができるのではないか。
最後に光太郎がZATに合流するときに流れる、いつものBGMの安堵感。
非日常から日常へ。
やはり本話は光太郎にとっても我々視聴者にとってもいっときの夢だったのかもしれない。


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