変身超獣の謎を追え!


データ

脚本は田口成光。
監督は真船 禎。

ストーリー

異次元空間でワニと宇宙怪獣の合成作業が行われていた。
変身超獣ブロッケンの誕生だ。
その頃TAC基地では日本初の有人宇宙飛行から帰還する小山隊員の誘導が行れていた。
しかし、小山隊員との連絡が突如不能となる。
ヤプールの仕業であった。
TACは緊急出動し、小山のロケットの火災を消火。
基地までアローで牽引してくる。
しかし救出された小山隊員には超獣ブロッケンが乗り移っていた。
小山隊員は隊長との握手を拒むが、それは小山の手にブロッケンの目と口が付いていたからであった。
基地内に入った小山は、光速に近づき異次元空間さえ見れるのではという新しいエンジンの話を聞く。
それを聞いたヤプールはエンジンの破壊を計画。
小山に手袋を取らないよう指示し、ひとまず小山邸へ帰還させる。
小山の奥さんは子供を生むため入院中で、家には長男のあつし君しかいなかった。
父親に会えて大喜びするあつしを見て北斗は、自分は父親の顔を覚えていないと南に話す。
寝る前まで手袋を脱がない小山を不審に思うあつしだったが、おねしょのおまじないをされて安心して眠る。
その頃南はエンジンのある研究所の見回りをしていた。
星空を見上げながら北斗の話を思い出す南。
その頃小山邸では小山にヤプールからの指令が来ていた。
反応して寝息が大きくなる小山。
その音に目が覚めたあつしは小山がまだ手袋を着けているのを見て、それを脱がす。
するとそこには目と口が。
外へ逃げてTACに連絡するあつしだが、誰にも信用してもらえない。
翌朝北斗は改めてあつしから話を聞き、小山をつけることにする。
尾行に気付いた小山は手の口から煙を北斗に浴びせる。
北斗は急いでTACに連絡し、小山を研究所に入れないよう指示するが、小山は一歩先に研究所に来ていた。
正体がばれた小山はヤプールの指示で急いで研究所に入る。
その時研究所が破壊され、中から巨大化した超獣ブロッケンが出現した。
攻撃するTAC。
北斗は一緒に連れてきていたあつしを追ってビルに入る。
中からTACレーザーを撃つ北斗だったが、建物の中に手を突っ込んだブロッケンに捕まってしまった。
それを見て叫ぶ南。
その時指のリングが光った。
アローを脱出して、北斗が捕まった手を目がけて落下する夕子。
2人はブロッケンの手の中で変身し、ブロッケンの手を吹き飛ばす。
しかし、エースはブロッケンの光線技に大苦戦。
朦朧としたその時、空が割れウルトラの文字が光った。
「立て!撃て!斬れ!」
その言葉に応えるようにエースは立ち上がり、ウルトラギロチンを放つ。
バラバラになったブロッケンは大爆発する。
爆発した場所には小山が呆然と立っていた。
近寄ろうとするあつしに山中が「影がない、こいつは宇宙人だ」と言う。
しかし、その時小山に影が戻った。
正気を取り直した小山はTACに送られて自宅へ戻る。
その時、小山邸に男の子が生まれたと電話が。
病院へ向かう道すがら、影ふみをして遊ぶ小山とあつしであった。

解説(建前)

今回の最大の謎は小山さんとブロッケンの関係。
乗り移ったとあるが、最後ブロッケンが死んでも小山さんが死ななかったのは不可解である。
これはこう考えるしかあるまい。
ブロッケンに変身した時は既に分離されていた。
その間、小山さんは別の空間(異次元)にでも飛ばされていたのだろう。
そして、ブロッケンの爆発の衝撃で元の空間に戻って来れた。
影がなかったのはあの時点では実体の半分しか戻ってなかったからだと思われる。
そう考えると、北斗が小山さんを追跡した時小山さん(ブロッケン)に影があったのも理解できる。
最後のナレーションは何か勘違いしてたのだろう。
因みにヤプールはブロッケンに話しかけていたが、超獣が会話したり子供におまじない出来たりするのは不可解なので、これは小山さんがマインドコントロールされていたと見るのが妥当であろう。
ブロッケンは実は手の中に潜っていただけなのではないか。

バレバレタッチは異次元空間で見えなかった、もしくは光の関係で見えなかったとでもしときましょうか(あきらめ気味)。
ウルトラギロチンは何故兄弟に言われるまで使わなかったのか。
これはエースと北斗、南の意思の疎通が上手くいってないからであろう(南の意思がどれほど反映されてるかはわからないが)。
実際エースはエース、北斗、南という3人の人格が混合してるわけだから意思の連絡が上手く行かなくても仕方ないと思う。
エース自体覚えたての技かなんかで失念してたのかもしれない(今後頻繁に使うようになるが)。

感想(本音)

超獣が人に乗り移る、バキシムの回と似たシチュエーションは脚本が田口氏だからなのか。
北斗の父親の記憶がないという言葉を思い出しながら空を見上げる夕子の心情や如何に。
星を見て星司さんを思い出したかな。
実際本人達もなんと説明すればいいかわからない関係だろうし(そこがいいんだが)。
小山さんが宇宙から戻ってきた時、微笑みあう北斗と夕子も印象的でした。

光の速さに近づくエンジンは結局壊されましたね。
しかしTACの科学力も大したものだ(ヤプール談)。
今回は超獣の合成シーンが登場。
あんな如何にもな作り方で作っていたとは。
ある意味おそるべし。

ウルトラサインを敵と間違う山中。
小山さんが超獣といわれても信用しないし、こいつは間違いなく出世しないだろう。
小山さんに扮したのはお馴染みムラマツキャップこと小林昭二氏。
研究所に駆け込むときのちょこまかとした速走りが何ともユーモラスでした。

しかし、ブロッケンに捕まる北斗。
南と変身させるためとはいえ、かなり強引な展開でした。
捕まった北斗、それを助けるためアローを乗り捨てて変身する夕子。
この設定がなくなったのが徐々に理解出来つつあります。

小山さんのロケットをあっと言う間に消火して、吸盤みたいのでくっつけて救出するTACおそるべし。
後、エースに蹴飛ばされて人形丸出しになるブロッケンと、倒れる時妙に中の人(2人)が痛そうな感じが何とも言えませんでした。


Aトップへ戻る