データ 脚本は上原正三。 監督は真船 禎。 ストーリー 空が割れて怪しい目が女性を探す。 遊園地でティーカップに乗っていた女性が突然蟻地獄に吸い込まれて消えた。 TACが調査するが何も見つからない。 また別の夜、都内で女性が蟻地獄に吸い込まれる事件が起こった。 被害者はいずれもO型の血液を持つ女性だった。 異次元人の仕業と主張する北斗だったが、警察の言うホログラフィー説を覆せないと隊長は調査を警察に任せる。 ある日、休暇をもらった北斗と南は南の誘いで街で買い物をしていた。 久しぶりの休暇にはしゃぐ南だったが、いきなり蟻地獄に吸い込まれそうになる。 助けを求める南。 間一髪で北斗は南を救出した。 超獣の姿を見た2人は地下鉄のホームに下りる。 しかし結局何も見つからず、2人は基地に帰りそのことを報告する。 梶は北斗の絵を見て肉食の蟻の仕業ではないかと言う。 その頃、地下鉄が巨大な蟻に襲われる事件が起き、TACが出動。 地下からは蟻酸が検出され地下が蟻の巣になっていることが判明する。 超獣を地下から追い出すため隊長はTACビルを出動させ、地下に潜る。 地底でアリブンタを発見した隊長たちはアリブンタにロケット弾を発射。 しかし、逆にアリブンタに反撃され酸素タンク、オイルタンク、ロケット発射口を破壊される。 アリブンタの攻撃は美川隊員の爆弾により一時的に食い止めたが、酸素が乏しくなり、隊長らの生還は絶望的になった。 連絡を地上で受けるTAC隊員たち。 北斗は南におとりになって地下に吸い込まれるように説得する。 エースは地下に潜る術を身に付けていないのだ。 恐怖から躊躇う夕子。 しかし勇気を出せと言う北斗の目を見て、夕子はおとりになることを決心する。 街を歩き蟻地獄に吸い込まれる夕子。 決死の覚悟で蟻地獄に飛び込む2人のリングが光った。 2人はエースに変身。 エースはアリブンタにメタリウム光線を浴びせるが、アリブンタは突如消えてしまう。 そこに現れたギロン人。 ギロン人はアリブンタを使って地下に基地を作ろうとしていた。 戦いを挑むエース。 しかし、ギロン人の罠にハマり、剣山状の岩に押しつぶされる。 身動きの取れないエース。 容赦なくギロン人は剣山に電流を走らせる。 絶体絶命のエースは最後の頼み、ウルトラサインで他の兄弟の救援を仰ぐ。 すると宇宙の彼方から猛スピードで、ウルトラ戦士がやって来た。 ウルトラ兄弟の長兄、ゾフィーであった。 エースを助け出したゾフィーはエースにウルトラコンバーターを渡し、エネルギーを回復させる。 そして地上で暴れるアリブンタ、ギロン人と戦うよう指示し、自らは隊長たちのTACビルを救出する。 その頃地上ではアリブンタとギロン人が大暴れしていた。 懸命に戦う山中、吉村。 そこへ地下からエースが現れた。 エースは隊長らを救出したゾフィーと力を合わせて超獣と戦う。 最後はアリブンタとギロン人をヘッドロックで締め、頭を鉢合わせて息の根を止めた。 礼を言うエース。 晴れやかな面持ちでエースとゾフィーを見送るTAC隊員たち。 感謝の思いで夕日を見つめる、北斗と南であった。 解説(建前) ストーリー上は3人しか吸い込まれていないが、もっと目立たないところで多くの犠牲者が出ていたのであろう。 じゃなきゃ、アリブンタはあんなに成長してない。 ギロン人が何者かよくわからないが、アリブンタはおそらくヤプールが作ったので、久里同様野望をヤプールに利用されたのであろう。 アリブンタはTAC隊員には蟻酸を使用しなかった。 偶々か蟻酸の量に限界があって切れたのか、はっきりはわからない。 地上では専ら火炎を使っていたので、蟻酸はあんまり使えないのかもしれない。 ゾフィーはどこから来たかよくわからないが、比較的近い所にいたものと思われる。 どこかにウルトラの前進基地でもあるのではないか。 夕子が私服に着替えておとりになったのは、TAC隊員であることがばれないためと思われるが、そこまでアリブンタが区別していたかは不明。 念には念を入れたのであろう。 ゾフィーはカラータイマーが青のままだった。 地球に来るまでにたっぷり補充したのであろうか。 このことから常に地球にいるウルトラマンは、あまり多くのエネルギーを補充出来ないことが窺われる。 と言っても地球外にいると緊急の事態に対処できないので難しい所だ。 北斗と夕子が同じ日に休暇をもらえたのは隊長の配慮に違いない。 いくら同期でもなかなか2人一編に休暇はもらえまい。 北斗の目を見て北斗を信じる夕子。 2人の信頼の絆はますます深まった。 感想(本音) エースの面白さが詰まった1篇で個人的にもお気に入りである。 エースがピンチになって兄弟が来るパターンは今後も続くが、段々エスカレートしてついて行けなくなる。 これくらいなら適度でいいと思うのだが。 地球防衛軍がまたあっさりやられていたが、無事脱出できたのであろうか。 不死身のTAC隊員と比べると、対照的である。 女性が蟻地獄に吸い込まれるシーンの特撮がちゃちい。 人形丸出しである。 人形丸出しのゾフィーがやって来るシーンは興奮した。 BGMもいい。 地下に潜るとエースの罠をあっさり破壊するゾフィー。 強いぞ、ゾフィー。 ダックビルで地底に潜る隊長たち。 あまりにも無謀な気が。 案の定アリブンタに破壊されてしまう。 隊員3人も乗せていくことないのに。 危険だから私がやるんだというあの意気込みはどうした。 まあ1人でダックビルを運転するのは難しいのかもしれないが。 アリブンタの蟻酸で被害者が白骨化するシーンはかなり怖い。 この話は途中までホラー色が強い。 しかしギロン人の動きはどことなくコミカル。 アリブンタの鳴き声は何とも蟻っぽくて気持ち悪さ満点だ。 警察のホログラフィー説に納得するTAC。 いい加減、異次元人の怖さを思い知れ。 美川隊員がダックビルから下りて爆弾を投げるシーン。 地底の暗さもあって、合成が上手くいっている。 しかし、迂闊に外に出て蟻酸を浴びたらどうするんだ美川隊員。 まあ、命がけなんだろうが。 北斗と夕子の貴重なデートシーン。 子供心にこの2人の関係は何なんだろうと思ったのを覚えている。 また今回は2人の絆が深まっていく様子を描いている。 ユニタングの回といい、上原正三はその辺り意識的に書き込んでるようだ。 このまま最後までこの路線で行った方が面白かったのに。 |