河童屋敷の謎


データ

脚本は斉藤正夫。
監督は筧正典。

ストーリー

嘘つきやっちゃんと周りから呼ばれる安夫は、1人木の上でオカリナを吹いてる時に超獣がプールになるのを目撃する。
その連絡を聞いて駆けつける北斗、山中。
しかしそのプールがある屋敷の住人春山夫妻は一笑に付し全く取り合おうとしない。
安夫の母親からもまた嘘をついたと言われて北斗、山中は基地へ戻ることにする。
安夫はプールが超獣と主張し続けるが、仲間は春山夫妻に誘われて プールに泳ぎに行く。
しかし少年達はプールに吸い込まれた。
それを目撃した安夫はプールへ行く姉を止めようとするが、取り合ってもらえない。
安夫はプールから無事帰ってきた友人達を訝しがるが、へそがないことに気付き、少年達も驚いて逃げ帰る。
姉もへそを取られたと思って安夫は北斗を呼ぶが、姉のへそは無事であった。
信じて欲しいと訴える安夫に春山は安夫がもしへそを取られたら、北斗がプールに入って取り戻してくれると言う。
約束を破るのは男にとって最も恥ずべきことだとそれを約束する北斗。
基地に帰った北斗は皆から子供に甘いと責められる。
安夫の母親のラーメン屋でラーメンを食べながら北斗と夕子は少年のことについて話し合う。
深夜、安夫邸では姉がへそのシールをはずし、春山邸へ駆け込んで行った。
それをつけた安夫は春山邸内で顔がケロイド状になった姉を目撃。
そして春山らに捕まってしまう。
安夫はそのままプールへ沈められへそを取られてしまう。
TACは安夫の異常を知った北斗、南の連絡で春山邸を包囲する。
病院で安夫を見舞った北斗は約束を果たすためプールに飛び込む決意をする。
罠に嵌りに行くようなものと止める夕子。
しかし北斗は子供の頃の話をして子供との約束でも守らなければならないと言う。
頷く夕子。
春山邸を包囲したTACはガス弾を撃ちこみ、春山邸に侵入。
春山がレバーを引くと超獣が出現。
北斗は急いで外に出て超獣の頭のプールに飛び込んだ。
一方春山夫はTACに撃たれてロボットの正体をさらして死亡。
妻の方は北斗を追う夕子に銃を発射し怪我を負わせるが、TAC隊員に狙撃され死亡する。
しかし北斗は超獣キングカッパーの頭のプールに捕まってしまった。
超獣は街を破壊しTACスペースも破壊される。
人質になった北斗を助けるため夕子はアローでの突撃を隊長に志願。
しかし怪我を理由にその許可は下りない。
仕方なく夕子は隊長の命令を無視し、勝手にアローで出撃。
アローが超獣にやられると脱出し、キングカッパーの頭のプールに飛び込んだ。
プールの中で北斗とウルトラタッチで変身。
変身したエースは最後はバーチカルギロチンでカッパーを真っ二つに。
安夫のへそも元に戻り、北斗は安夫との約束を果たす。
北斗、夕子のもとに駆けつけた隊長は命令違反をとがめて、2人に子供達を海水浴に連れて行くことを命令。
大喜びする子供達に戸惑う北斗、夕子であった。

解説(建前)

まずヤプールの作戦。
北斗を捕らえるまではわかるがその先何を考えてるのか今ひとつわからなかった。
エースの出現を妨害し、かつ人質としてTACの攻撃を防ぐ作戦だろうが、夕子のことをどれだけ計算にいれていたのか。
かなり手ぬるい作戦としか言いようがない。
いっそ北斗を抹殺すればよかったのだろうが、キングカッパーの皿にはそこまでの機能はなかったようだ。
おまけに北斗が隊員服を着てたためへそを取ることも出来なかったようだ。
まあこれはヤプール自体ゴルゴダの敗北以来、何か狂ってるのとも関係するだろう。

キングカッパーを倒したら子供達が元に戻った点。
あれはへそを取られたと言うより大脳皮質ホルモンの異常でへそが消えてたと考えた方が良いだろう。
最後真っ二つになったカッパーの内部から出てきたガスによりホルモンが正常になったのではないか。
その結果へそも戻り、ケロイドも治ったと考えれば辻褄は合うだろう。
あと、夕子がキングカッパーを倒した後包帯が取れてたのは、エースに変身したことによって何らかの治癒力が働いたと考えるしかないだろう。
まあ元から大した傷じゃなかったのかもしれないが。

感想(本音)

まあ強引なストーリーながら中身はてんこ盛りで内容は濃い。
しかしヤプールのあの作戦はちょっと。
北斗が義理堅かったから良かったけど、そこまで計算してそそのかしたのかな。
とは言えあまりに無策。
安夫の姉のへそを調べる時の北斗のばつの悪そうな顔。
まあ一歩間違えれば変態扱いだから仕方ないか。
だからTACの評判が悪くなるんだと山中。
至極ごもっとも。

へそを取られて呻き苦しむ少年達。
かなり不気味。
これはもはや怪奇シリーズなのでは。
梶は地味に病院で博識振りを披露していたが、最近基地の留守番とかちょっと影が薄いぞ。
しかし個人的に梶はお気に入りのキャラなので、降板するのが残念でならない。

今回前半はあまり出番のなかった夕子だが、後半は文字通り大活躍。
銃に撃たれたり、命令に違反してアローで突撃し、カッパーの頭に飛び移ったり。
しかし今回の見所は何と言ってもラーメンを食べるシーン。
何ともほのぼのとしてていい感じだった。
でもあれはおそらく勤務帰りで北斗に誘われて行ったと思われる。
そういう意味ではある意味デートに近いかもしれない。
そう言えば何となく夕子が楽しそうだったな。

まあ、今回は強引なストーリーで子供中心の話であったが、それに上手く北斗の昔話や夕子との絆を織り交ぜておりエースらしい作品に仕上がった。
脚本の斉藤さんはエースでは後もう1本脚本を担当しているが、いずれも北斗と夕子をしっかり描けておりもう少し脚本を書いてもらいたかった作家である。
まあ、夕子が月に帰ってしまったらどうしようもないが。


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