怪談・ほたるヶ原の鬼女


データ

脚本は上原正三。
監督は真船禎。

ストーリー

ほたるヶ原バイパスに深夜交通事故が多発。
それはヤプールによって操られる鬼女とホタルンガの仕業だった。
対超獣用新兵器V7の輸送経路に当たることからTACは調査を開始。
事故現場からはドライバーの白骨死体と蛍の死骸が見つかる。
ヤプールの陰謀を疑った竜は再び調査を命令。
南はその場にいた車椅子の少女民子のことが気になり、民子に会いに行く。
民子の父親に会って事情を聞く南。
民子は毎日ほたるヶ原で歩行訓練をしているということだった。
V7が完成したTACだったが、梶は敵の攻撃を恐れ計画の延期を提案。
北斗は南と事故現場を走り、安全を調査することにする。
ほたるヶ原で不気味な歌声を聞く南。
問題の午前2時鬼女と蛍が出現して2人を襲う。
鬼女を追いかけた南は民子の家にたどり着き、ホタルンガに餌をやる民子を発見する。
1人の民子を心配して南は民子の家に泊まることにする。
民子が寝床にいないことから家を調べた南は鬼女を目撃する。
しかし鬼女は消え、民子も寝床に戻っていた。
V7計画は予定通り実行することが決まる。
南は引き続き民子の調査をすることに。
車椅子を押す南は民子を試すため車椅子をわざと坂から転がす。
しかし民子は歩けなかった。
深夜民子の家に泊まっている南はいきなり蛍の群れに襲われる。
苦しむ南。
北斗に助けを求めるが聞こえない。
民子は鬼女に変身して南の首を絞める。
やっとのことで助けを呼んだ南は北斗に助けられる。
民子の母親は午前2時にほたるヶ原で交通事故に遭い亡くなっていたことがわかった。
南はほたるヶ原で鬼女を発見し、気合で民子を正気に戻す。
南に気付かれたヤプールはホタルンガを巨大化させ、V7を踏む潰そうとする。
また南と民子はホタルンガの尻尾に吸い込まれてしまった。
V7を使えないTAC。
南は美川からもらった特殊ガスによりホタルンガから脱出。
すぐさまエースに変身した。
エースはホタルンガの放電攻撃に苦戦。
おまけに尾で威嚇され思うように攻撃できない。
そこへTACがV7を発射。
ホタルンガの頭部に命中しホタルンガは動きを止める。
最後はエースのメタリウム光線で粉砕された。
鬼女は母を交通事故で亡くした民子の怨念をヤプールが利用したものであり、白骨化した死体はホタルンガの餌となった屍であった。
民子はすっかり足も良くなり、南と実の姉妹のように野原を駆け回るのであった。

解説(建前)

美川隊員の渡した特殊ガスは人体に対してはあまり害のないものであった。
弱い催涙ガスのようなものであろうか。
ホタルンガが2人を吐き出したことから、そんなとこであろう。
脱出直後民子を抱えて変身したので、民子は気を失ってた可能性が高い。
夕子が気合で民子の面を割ったのは月星人の能力を使ったのかもしれない。
合気道の類かもしれないが。
今回のヤプールは民子の車への怨念を利用したが、これは久里虫太郎の時と似ている。
人間を滅ぼすのは人間だ。
ヤプールはただ地球を侵略しさえすればいいという考えでないことは明らかである。
さすが異次元の悪魔。

感想(本音)

珍しい夕子単独主役の話。
ストーリーも怪談シリーズでは1番良く出来ており、さすが上原正三である。
上原氏の2人の関係の捉え方は恋人同士といった感じ。
夕子が深夜2人でいる時、少し甘えた感じで話すのが良い(ううん、何でもないの)。
北斗も夕子の護衛を言い使って嬉しそうな表情するし、民子と歌を歌ってる夕子を見る眼差しも暖かい。
蛍に襲われる夕子を助けて抱きかかえるシーンも良い(ちょっとぼかされているのはヒーローものだからか)。
て、よく考えたらこういう演出は監督の意向かな。
そう言えば、アリブンタのときも監督は真船さんだった。
このコンビだとこういう作品になるのかもしれない。
今回ウルトラタッチも空を飛ばない仲良しバージョンだった。
やっぱ、真船さんの趣味か?

ストーリー的には交通事故の復讐話でウルトラシリーズにはお馴染み。
それをヤプールが利用するというところがエースらしさか。
しかしTACの武器が活躍するのも珍しい。
今回は脱出もなかったし、TACがかっこよく見えた。
白骨死体を見て野犬の仕業と言う北斗に山中は野犬ならもっと草が倒れているはずとまともな反論。
山中もたまにはまともなこと言うんだな。

噂の夕子悶えシーンは言われてみると確かに艶かしい。
これも監督と脚本家の趣味か?(失礼)
北斗は夕子に対しては命令するシーンが多い。
やはり年長ということで北斗が命令する立場にあるらしい。
夕子は美川に対しても敬語だったし、TACの中では1番下っ端のようだ。
北斗が夕子の見張りで外にいて虫に刺されてぼやくシーンは何処となく尻に敷かれてる感があって良い。
やっぱこの2人はいい感じですね。
後、夕子が鬼女を追いかけるシーンはBGMとともに緊迫感があって良い。

エース最終話を見終わって久しぶりに夕子登場回を見たんですが、最初少し違和感ありました。
でもやはりエースは2人ですよね。
もっと後半まで夕子を引っ張って夕子主役話を見せて欲しかったです。
でもあの髪型はやっぱり変ですね。
もっと綺麗に見える髪形にしてれば人気も出て、降板せずに済んだかもしれません。
降板後の月星人の姿の方が綺麗だなんて、何とも皮肉なものです。

しかし上原さんも真船さんも夕子お気に入りなのでしょうか。
市川さん、夕子の設定を作ったならもう少し生かしてやって欲しかったものです。
エースの主導権を北斗が握ると明確にしたのは市川さんですし(7話)、エースって男女を超越したものじゃなかったっけ?
違ってたらすいません。
蛍の歌といい、何とも懐かしい感じのする話(あの歌は知らないが)。
夕子も活躍するし、割りと好きな話ですね(う〜ん、まるっきり夕子ヲタだ)。


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