データ 脚本は石堂淑朗。 監督は山際永三。 ストーリー TAC隊員の吉村は夏期休暇で岡山の実家に帰る車中、ヒッピー青年高井と出会う。 岡山到着後、吉村は高井にレンタカーで観光案内をさせられることに。 鼻ぐり塚にやって来た高井は、鼻ぐりを拾いそれを腕につける。 吉村隊員は止めるよう説得するが、高井は聞く耳を持たない。 腕に鼻ぐりをつけたまま車で立ち去ってしまう。 それを見たヤプール僧は牛神の怨霊に高井に取り付くよう指示。 車を運転してた高井の腕を鼻ぐりが締め付けだす。 そのせいで運転出来なくなった高井は、ハンドルを切り損ない並木に衝突。 吉村隊員に助けられ、実家に泊めてもらう。 鼻ぐりは外れる気配もなく、逆に巻き付いた腕の周りから牛の毛が生え始める。 さらにヤプール僧は深夜、吉村の家へ入り込み高井に取り付く牛神をパワーアップさせた。 翌朝頭に角が生え、驚く高井。 朝食を取るよう起こしに来た吉村は、高井に牛窓に行かないかと誘うが、角がばれるのを恐れた高井はそれを断る。 吉村が出掛けた後、高井は朝食を取ろうとするが、肉は受け付けず食事をひっくり返す。 庭に出て草を食べる高井。 高井はドンドン牛化し、最後は鼻ぐり塚まで行き、許してくれと懇願するが、ヤプール僧により超獣カウラに変身させられた。 超獣を見た吉村は腕の鼻ぐりから高井ではないかと直感し、高井の名前を呼んでみる。 走り寄るカウラ。 しかし高井の意志ではコントロールできず、吉村は動きが取れなくなる。 連絡を受けたTACは岡山に出動。 吉村と連絡を取り、カウラが人の変身らしいことを知る。 古墳に追い込まれた吉村は通信機の故障でTACと連絡を取れなくなる。 夜になり対策を検討するTAC。 吉村の母親からも超獣が人であるらしいことを聞き、麻酔銃の使用を決定する。 翌日、麻酔銃でカウラを攻撃するTAC。 しかしカウラには効かない。 吉村の母親達を助けた北斗、南はエースに変身。 エースはカウラの鼻ぐりを蹴飛ばすと、鼻輪をつけてカウラをおとなしくさせることに成功。 最後は投げ飛ばして、カウラは元の高井の姿に戻った。 高井はこれを機にヒッピーを卒業することを決意し、オリーブ園で働くことにする。 それを微笑ましく眺める、北斗と南であった。 解説(建前) 今回もヤプールの作戦は動物の怨念を使うというもの。 スケールダウンは否めないが、やり方としてはかなりヘビーで嫌らしさ十分であろう。 高井と牛の怨念を合体させるということで、ヤプールはついに人間を超獣化することに成功した。 超獣製造のバリエーションが1つ増えたと言えよう(簡単に分離したので使い物にならない気もするが)。 最後エースがカウラを投げ飛ばしたら元の高井に戻ったのは、既に分離していた牛神の残像が地上に落ちたショックで消えたからではないか。 高井と牛神は鼻ぐりを通して繋がっていたので、それがはずれた時に分離は始まっていたと思われる。 感想(本音) 昔は怖かった記憶があるが、今見るとかなりコミカル。 蟹江さんの熱演には思わず笑ってしまいました。 まさに怪演。 あんまり好きな話ではないが、息抜き的なポジションとしてはいいのでは。 この怪奇シリーズはそういうスタンスで楽しむべきでしょう。 休暇中の吉村はちゃんとTACの制服を持参していた。 ヘルメットまで。 TAC隊員は大変だ。 竜隊長あっさり超常現象信じすぎ。 どうりで夕子が月星人ということをあっさり受け入れたわけだ。 前回から何故かオープニングのタイトルの活字が整ったものに。 これはタイトルが長すぎるのが原因か? 今回夕子はセリフなし(ヤーッ、ウルトラタッチだけ)。 主役としてこの扱いは如何なものか。 同様に北斗もほとんどセリフなし。 随所に挿入されるビヨーンとか、ポンという効果音が間抜け。 話をコミカルタッチにしようとしているのだろうが、どうかなあと思う。 ヤプールもあまりに緊張感のない展開にそぐわないのか、異次元の姿は出てこなかった。 あの僧侶姿は違和感ありです。 今回珍しく、TAC機が1機も破壊されなかった。 しかしTACは中国地方出身者がやたら多い。 北斗、南、広島。 今野、吉村、岡山。 後の2人はロケの関係なんですが。 今回のメッセージとは食べられる牛にもう少し感謝しようというものだろうが、牛としてはどんなに祭られても納得なんか出来ないぞ。 こういうテーマは取り上げること自体無理があるであろう。 これで牛を食べられなくなる子供が出たらどうするんだ。 逆に牛も食べられるのに納得してると勘違いする子供が出たらどうするんだ。 このテーマは人間存在の罪深さに関わるものなので、取り上げたのはまずかったと思う。 まあ、石堂さんは子供向けの軽い教訓話のつもりだったのかもしれないが。 怪奇シリーズということで、市川さんの順番が飛ばされました。 徐々に迷走の予感がしてきます。 今回は1にも2にも蟹江さん(驚き、桃の木、山椒の木て…)。 エースの本道から逸れる変化球的なエピソードでしたね。 じき本道になって行きますが(T_T)。 |