データ 脚本は上原正三。 監督は平野一夫。 ストーリー TAC第3レーダー基地に超獣ユニタング出現。 スカイパトロール中の山中、吉村らが発見し迎撃するが、逆にスペースを撃墜されてしまう。 結局レーダーは破壊され、ユニタングは姿を消した。 脱出した2人は大東女子大のサイクリング部員に遭遇する。 北斗、南はレーダーを復旧させるため、TACに1つしかないというダイオードSPDをパンサーで輸送するよう命じられる。 シークレットロードを進む2人は途中で迂回看板を発見。 2人は迂回路を進むが、道中飛び出してきたサイクリング部員綾をはねてしまう。 急ブレーキを踏んだ北斗はまず南の安否を確かめてから、女子大生の様子を見に車を降りた。 それを見て南は1人でダイオードを届けようとするが、ダイオードは事故の衝撃で壊れていた。 TAC基地に帰った2人は隊長にダイオードを壊した件で謝る。 しかしTACの調べでは迂回の情報等一切なかった。 不審に思った隊長らはヤプールの仕業ではないかと疑う。 翌日パトロールに出た北斗はついでに綾の見舞いに行くことに。 しかし綾は重症にもかかわらず、元気に退院していた。 怪しいと睨んだ北斗は綾と同行する。 キャンプに紛れ込んだ北斗は本部に女子大生とキャンプ地にいる旨報告。 それを聞いた山中、今野らは北斗が女子大生に目が眩んだと言うが、南だけは何か狙いがあるのではと北斗を信じる。 南の言うことを信じた隊長も北斗を自由にさせることにした。 深夜になっても連絡を待ち続ける南。 しかしその頃キャンプに潜入した北斗はユニタングにより捕らわれの身となっていた。 朝まで待ち続けた南であったが、結局連絡は来ず、第2レーダー基地もやられてしまう。 第2基地へ向かうTAC隊員は道中、サイクリング部員と北斗の集団に出くわした。 綾が付けた発信機により操られる北斗。 北斗は綾に操られ隊員たちに悪態をついた。 信じられない南は北斗に話しかけるが、北斗はまたしても綾に操られ、南を侮辱するようなことを言う。 そのまま立ち去る北斗らサイクリング部員。 しかし北斗の表情から何事かを感じた南は北斗の後をバイクでつける。 TACの目をごまかした綾は、つけて来る南を見て部員たちに自転車で襲わせた。 南を退けた部員らは、合体して超獣ユニタングに変身。 綾は用済みの北斗を殺そうと、自転車を舞い上がらせ空から北斗を地上に叩きつけようとする。 星司さ〜ん。 北斗の元へ走り寄る南。 その時北斗を操っていた装置が外れた。 2人はエースに変身する。 エースは1度はウルトラギロチンでユニタングをバラバラにするも、ユニタングはすぐに合体して復活。 綾はユニタングを市街地へと移動させる。 それを追っていくエース。 綾は角になりユニタングと合体。 エースは苦戦するが、最後はウルトラシャワーでユニタングをドロドロに溶解させて葬った。 誤解も解けて基地に帰る北斗たち。 北斗を信じなかった今野は罰として逆立ちをさせられる。 それを見て笑いあう北斗と南であった。 解説(建前) まず綾は何者かであるが、ヤプールの化身というのが有力。 他の部員に比べて明らかに頭がいいし、指導的地位にあるように見えた。 北斗と南を引き離す所も只者ではない。 しかし綾は何故エースである北斗をすぐ殺さず、TACに悪態をつかせたのか。 まあ、意地の悪いヤプールのことだから嫌がらせ(特に夕子への)だったのかもしれないが、それにしても詰めが甘い。 これはおそらく北斗と夕子の仲を引き裂いて、北斗を生け捕りのままエースへの変身を封じようとしたのではないか。 実際北斗を殺せばエースも死ぬのかはっきりしないし(北斗と分離してエースが現れるかもしれない)。 結果的に北斗を殺そうとしたのは夕子を騙しきれなかったためだろう。 まあ他にもTACの目をごまかすためという可能性もあるが、その辺り非常に難しい。 ヤプールだけに嫌がらせ説で正解かもしれないが。 感想(本音) エース全話の中でも異色とも言える、北斗と南の恋愛を描いたストーリー。 特に夕子の思いが胸に迫るエピソードであった。 例の如く、北斗を信じる夕子。 しかし女子大生と一緒のキャンプ地で夜を過ごすともなると、流石に心配で夜も眠れない。 そんな夕子の心の支えは事故の時、北斗が真っ先に自分の体を心配してくれたことであった。 しかし、そんなことは女性であれば当たり前とも言えるものである。 相手が美川隊員でも同じようにまず美川隊員の体を心配したかもしれない。 それは北斗を信じる根拠としてはあまりにも頼りないものであった。 しかしそんなことでも頼りにしたい女心。 この辺り、市川氏の描く夕子に比べて上原氏の夕子はより人間らしい(女らしい)生々しさがあると言えよう。 これは5話の買い物の荷物を持たせる夕子や、デートにも誘ってくれない(22話)と言う夕子にも通ずるものがあると思う。 個人的にはこういう夕子が女らしくて好きだ。 迂回の看板が出されていただけで、ヤプールの仕業と睨む山中。 こんな物分りのいい山中も珍しい。 ユニタングを倒したウルトラシャワーの成分てなんだろう。 かなり強力な気がしたが、ユニタングは溶けても人間には害のない類のものかもしれない。 しかし北斗も信用ないね。 明らかにおかしい様子なのに、隊長にまで見放されかけてる。 やはり夕子がいないと駄目か。 まあ、そのことが主人公を半人前に見せ、夕子降板の原因になったのかもしれないが。 ユニタングの合体や空に舞い上がる北斗のシーンの人形は相変わらずちゃちい。 ユニタングの口から出す糸は人が被っても害のない超獣にしては大人しい武器だ。 今回のエピソードは子供心にドキドキさせられるものがあって印象に残っていましたが、改めて見てもやっぱりいいですね。 ただこの回と14話を頂点にこういう展開はなくなっていきます。 これはやはりヒーロー同士の恋愛を描く難しさに起因するのでしょうか。 その辺真相は謎ですが、何か勿体無いなという気がします。 とにかく夕子大活躍の11話でした。 |