データ 脚本は田口成光。 監督は山際永三。 ストーリー 街を歩く次郎とルミ子。 次郎は郷秀樹らしき人物を目撃する。 郷は旅に出たと諭すルミ子。 そこへ超獣ザイゴンが出現。 逃げ遅れた次郎とルミ子は工事現場に追い詰められてしまう。 北斗は2人を救出するためアローで降下。 梶の新兵器でザイゴンを仕留めようとするが、何者かが立ちはだかってミサイルを発射できない。 その男は手に持ったレーザ−ガンをザイゴンに向けて発射し、ザイゴンは姿を消した。 郷さんだと喜び駆けつける次郎。 美川隊員の記憶によりその男は元MATの郷秀樹とわかる。 郷の持ってたレーザーは郷が開発した新兵器、ウルトラレーザーであった。 基地に帰ったTAC隊員は郷をTACの新隊員として迎えるべきか否か話し合う。 郷の能力を評価していた隊員たちは郷加入に前向きだが、攻撃を邪魔された北斗は納得いかない。 竜は結論を先送りにして、北斗と南にもう一度郷について調べるよう命令を下した。 北斗、南がメディカルセンターに到着すると、次郎とルミ子も来ていた。 2人を連れて郷の病室に入る北斗と南。 次郎は郷に郷の好物だというおはぎを差し入れる。 左手でおはぎを食べる郷に不審を抱く次郎。 次郎に指摘されて慌てて右手でおはぎを食べる郷であったが、お箸の使い方が何とも不自然だ。 北斗、南は不審を募らせる。 すると、ヤプールが再びザイゴンを地上に送り込んだ。 メディカルセンターへ向かうザイゴンを攻撃するため病室を出る北斗と南。 郷もウルトラレーザーを持って飛び出していった。 避難しようと郷に続いた次郎、梶、ルミ子であったが何故かドアが開かない。 センターの人々を避難させていた北斗と南は梶たちが中に閉じ込められてるのを発見する。 3人を助けようとセンターに入る北斗。 ドアを銃で壊そうと構えた瞬間、北斗の銃が何者かにより狙撃された。 北斗が振り返るとそこには郷の姿が。 しかしそれは郷ではなく郷に化けたアンチラ星人だった。 ピンチに陥った北斗だが、駆けつけた南により難を逃れる。 閉じ込められていた3人を助け出した北斗と南であったが、正体を聞かされた次郎が郷を追いかけて屋上まで行ってしまう。 郷に化けたのを憤る次郎は郷に殴りかかるがあえなく捕まってしまった。 屋上に駆けつけた北斗と南は次郎を人質に取られ思うように攻撃できない。 しかし次郎は郷の手に噛み付いて何とか逃げ出した。 するとアンチラ星人は正体を現した。 すかさず梶の新兵器で攻撃する南。 北斗と南は集中砲撃を浴びせ見事アンチラ星人を爆死させる。 しかし屋上は煙に包まれ絶体絶命。 その時2人のリングが光った。 次郎を抱えてウルトラタッチを敢行する2人。 エースは次郎を地上に助けると、ザイゴンと闘牛ごっこを始めた。 苦戦するエースだったが最後はウルトラナイフでザイゴンの首を切断。 土を盛ってザイゴンの墓標を作り飛び去っていくエース。 その夜公園のブランコで郷の思い出を語る次郎。 次郎は北斗と南にエースは郷と同じ匂いがしたと言う。 次郎がウルトラ5つの誓いを叫ぶと次郎には郷の姿が星空に見えた。 星空を見上げながら微笑む夕子と星司であった。 解説(建前) 難しい話。 まず疑問は他のMAT隊員が何処に行ったかであるが、丘は結婚退職、岸田はエリートの出世コース、南(紛らわしい)や上野は他の部署に、隊長は上層部にといったとこだろうか。 全くの出鱈目だが。 またTACの隊員の任命権は隊長にあることが判明。 一応相談していたが、これは隊長の考えであろう。 1番難しいのはアンチラ星人の目的が何かだが、ヤプールに何か借りでもあって、その変身能力を見込まれたのだろう。 結局ヤプールに利用されただけの哀れな宇宙人かもしれない。 メディカルセンターに3人を閉じ込めたのは北斗を誘い出すためか。 しかしアンチラ星人がエースの正体を知ってたのか否かよくわからなかった。 特に何も言わなかったので知らなかったのだろう。 とすると、何のために北斗をおびき出したかは謎である。 とにかく今回の作戦、狙いがよくわからなかった(TACに潜り込むのは考えてなかったのか?)。 (補足)郷が北斗と夕子が来た時、「来たな」と言ってたことからアンチラ星人の目的はやはり北斗を誘い出すことだったのかもしれない。 夕子に邪魔され北斗抹殺に失敗したアンチラ星人は、追い込まれて屋上に逃げたのであろう。 正体を知っていたか否かは不明だが、全てヤプールの計画とすれば辻褄は合う。 後、北斗と夕子は何故、郷のことを知らなかったか。 これはエース自体知らなかったと解釈すればいいのではないか。 エースが新マンの地球での姿を知らなくても不思議はあるまい。 えっと、2人が変身する時次郎君にバレバレだった件? あれは次郎君が煙に巻かれていたため意識が朦朧としていたと解釈するしかないでしょう。 エースが郷さんと同じ匂いがしたと嬉々として北斗と南に話したことからも、結局次郎君は気付いていなかったようだ。 感想(本音) 粗が目立つストーリー。 前作の主人公やレギュラーを登場させるというイベントでしかない、強引な話である。 正直次郎君がおかしい。 あまりに不幸が重なって壊れてしまったようだ。 傍から見れば「若いのにお気の毒に」状態。 推定10歳前後だろうが、その割りに言動はあまりにも子供じみている。 退行現象だろうか。 これからの次郎君の行く末がかなり心配だ。 あれならエースの正体がばれなくても仕方ないと思う。 とは言え制作側は、次郎君は郷がウルトラマンと知ってるわけだし、少々手荒に変身してもいいか程度だったのかもしれない。 そう言えば次郎君は郷の正体を知ってたわけですね。 あまりにも理解不能な出来事におかしくなったのかも知れません。 て言うか、「もう少し脚本を練りこんで下さい田口さん」という感じ(アンチラ星人は何のために郷に化けたのか?)。 今回密かに梶の新兵器が役立っていました。 アンチラ星人を破壊したのは対超獣、宇宙人戦では初の戦果ですね。 ザイゴンが現れたシーンでいつの間にか病室にいたのはご愛嬌か。 しかしエースの闘牛には閉口。 失敗してピンチに陥るのはいつものパターンでした。 最後は楽勝だったから余裕を見せてたのかもしれないけど。 今回は北斗と夕子の絡みで特筆することはなし。 田口脚本だとこの2人の精神的な部分はあまり描かれないような気がする。 その辺ちょっと物足りない。 しかしザイゴンの墓標はナンセンスかつ不気味。 次郎君といい何処となく狂気渦巻く第10話でした。 |